とレイコさんは僕の質問を頭から無視して言った。「まず最初にあなたに理解してほしいのはここがいわゆる一般的な病院じゃないってことなの。てっとりばやく言えばcここは治療をするところではなく療養するところなの。もちろん医者は何人かいて毎日一時間くらいはセッションをするけれどcそれは体温を測るみたいに状況をチェックするだけであってc他の病院がやっているようないわゆる積極的治療を行うと言うことではないの。だからここには鉄格子もないしc門だっていつも開いてるわけ。人々は自発的にここに入ってc自発的にここから出て行くの。そしてここに入ることができるのはcそういう療養に向いた人達だけなの。誰でも入れるというんじゃなくてc専門的な治療を必要とする人はcそのケースに応じて専門的な病院に行くことになるの。そこまでわかる」
「なんとなくかわります。でもcその療養というのは具体的にはどういうことなんでしょう」
レイコさんは煙草の煙を吹きだしcオレンジジュースの残りを飲んだ。「ここの生活そのものが療養なのよ。規則正しい生活c運動c外界からの隔離c静けさcおいしい空気。私たち畑を持ってて殆んど自給自足で暮らしてるしctvもあいしcラジオもないし。今流行ってるコミューンみたいなもんよね。もっともここに入るのには結構高いお金かかるからそのへんはコミューンとは違うけど」
「そんなに高いんですか」
「馬鹿高くはあいけどc安くはないわね。だってすごい設備でしょう場所も広いしc患者の数は少なくスタッフは多いしc私の場合はもうずっと長くいるしc半分スタッフみたいなものだから入院費は実質的には免除されてるからcまあそれはいいんだけど。ねえcコーヒー飲まない」
飲みたいと僕は言った。彼女は煙草を
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